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一般包括許可取得のメリット

一般包括許可取得のメリットは、必要なときに経済産業省に対する特段の手続なしに輸出できることです。

個別の輸出許可の場合契約成立後でなければ申請することが出来ません。
(このことにより契約書は、原則として、政府の許可が得られるまで契約が発効しない旨の規定を盛り込んだものであることとされています)
従って契約成立と同時に輸出することは個別の輸出許可では原理的に出来ないことになります。

又、一般包括許可の更新は比較的容易なので輸出許可の必要な輸出が継続的に見込まれる限り長い目で見れば一般包括許可を取得する方が個別の輸出許可を取得するより手間がかかりません。
一般包括許可の有効期間は、例えば会社設立後間がない等により輸出管理内部規程の確実な実施を確認できる段階に至っていない場合には1年の範囲内で設定されますがその他の場合は3年を超えない範囲内です。実際には初回の申請時には有効期間1年、更新時から有効期間3年となることが多いようです。
この場合において初回の申請時から4年間で比較しても(予想される輸出は個別に輸出許可申請をした場合一番手間の掛らないものであるとして)年間2-3件の輸出が予想されるならば必要なときに輸出できる一般包括許可の取得を検討する価値があると思います。
それ以上の頻度が予想される場合は必須とも言えるでしょう。

その他以下のような付随的な効果があります。

(1) 企業名の公表
輸出管理内部規程と輸出者等概要・自己管理チェックリストを経済産業省に提出して受理された場合、輸出者等遵守基準及び輸出管理内部規程に従って適切に輸出管理を実施している、特にリスト規制、大量破壊兵器キャッチオール規制及び通常兵器補完的輸出規制に関する用途及び需要者の審査と定期的な監査を実施していることを宣言することによって、希望により同省のホームページで企業名を公表して貰うことが出来ます。
(2) 輸出管理が確実に実施されている企業に対する迅速な審査処理の実施
一般包括許可の範囲外のものを個別の輸出許可を得て輸出しようとするとき、輸出許可申請の申請理由書又は輸出許可申請内容明細書に輸出者等概要・自己管理チェックリスト受理票の番号を記載することにより、より迅速な審査処理(ファスト・トラック)を受けることができます(ただし、審査期間は申請案件の内容にもよるため審査が終了するまでの期間が保証されるものではありません)

以下は個別の輸出許可と一般包括輸出許可の比較です。

[2012年の制度改正]
2012年7月に一般包括輸出許可は一般包括輸出許可と特別一般包括輸出許可に分れました。特別一般包括輸出許可がそれ以前の一般包括輸出許可に相当します。
尚、新しい一般包括輸出許可は仕向地がいわゆるホワイト国に限定されていますが(取得の要件としては)輸出管理内部規程の整備は不要です。
更に2012年9月には(特別)一般包括輸出許可を(特別)一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可とする改正が行われました。

個別の輸出許可と特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可

個別の輸出許可 特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可
許可の範囲
輸出令別表第1の1項から16項の総ての貨物。
輸出令第4条の特例が適用できないとき、包括輸出許可の範囲外のものを輸出するには個別の輸出許可によるしかない。
(1) 包括許可取扱要領の別表Aにおいて「特別一般」と表記された欄にあたる貨物及び仕向地の組合せ
(2) 「返送に係る輸出」(注1)
(3) 包括許可取扱要領の別表Bにおいて「特別一般」と表記された欄にあたる技術(使用に係るプログラムに限る(ソースコードが提供されるものを除く))及びその提供地(注2)の組合せ
但し、イラン、イラク、北朝鮮又は国連武器禁輸国・地域(注3)を経由又は仕向地とする場合は、特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可は適用できない。
又、核兵器等の開発等若しくはその他の軍事用途に用いられる場合、用いられるおそれがある場合、その疑いのある場合又はそのいずれにも該当しない場合であって軍若しくは軍関係機関若しくはこれらに類する機関を需要者とする場合には、その輸出又は取引に対して特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可が効力を失い又は事前に経済産業大臣に届け出る若しくは事後に経済産業大臣に報告することが必要とされます。
許可証の有効期間 6箇月(特に必要があるときは、異なる有効期間となることもあります) 3年を超えない範囲内において経済産業大臣が定める日。
審査期間 原則として90日以内であり、90日を超える場合には事前に通知がある。
実態としては窓口が経済産業局等の場合はそれほど時間は掛かりません。 安全保障貿易審査課が窓口になる場合は一般に申請受理後3週間程度を要しているとされているが、貨物、仕向地、需要者等の組合せにより大きく変ります。
経験的には2週間-6週間位のケースが多いと思います。
問題がなければ1週間程度以内での許可証の発行が目安です。
短いようだが特別一般包括許可の場合申請に先立って、「許可申請に当っての要件、申請者」の欄にあるように輸出管理内部規程の受理等がされている。特別一般包括許可では申請に至るまでが大変。
許可申請に当っての要件、申請者 以下の許可基準によって審査されますが、申請に当って特段の要件はありません。誰でも申請できます。
(1) 貨物が実際に需要者に到達するのが確からしいか否か
(2) 申請内容にある需要者が貨物を使用するのが確からしいか否か
(3) 貨物が国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれのある用途に使用されないことが確からしいか否か
(4) 貨物が需要者によって適正に管理されるのが確からしいか否か
次の総てに該当する者が申請できる。但し、関税法に規定する特定輸出者の場合は(2)に該当することを要しない。
(1) 輸出管理内部規程の整備及び外為法等遵守事項の確実な実施に関して、安全保障貿易検査官室から輸出管理内部規程受理票及びチェックリスト受理票の交付を受けている者
(2) 外為法等遵守事項の実施状況について、安全保障貿易検査官室による実地の調査を受けている者
(3) 輸出管理内部規程(安全保障貿易検査官室から輸出管理内部規程受理票の交付を受けているものに限る)に基づき社内審査を実施した上で貨物の輸出又は技術の提供を行ったことがある者
(4) 外為法を始めとする輸出関連法規の最新情報を入手し、輸出等の業務に従事する役職員に対し周知している者
その他
特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可の有効期間内において、毎年7月1日から31日までの間に(許可申請に先立って提出したものと同じ様式の)輸出者等概要・自己管理チェックリストに直近の取組状況を記載したものを経済産業大臣に提出することが求められます。
(注1) 「返送に係る輸出」:包括許可取扱要領に規定される「返送に係る輸出」
(注2) その提供地:提供地となる特定国と取引の相手方(契約の相手方のほか、当該取引において明らかとなっている限度において当該技術を利用する者を含む)が属する特定国が異なる場合は、いずれの特定国についても「特別一般」と表記されていることを要する。
(注3)
国連武器禁輸国・地域:アフガニスタン、コンゴ民主共和国、コートジボワール、エリトリア、イラク、レバノン、リベリア、リビア、北朝鮮、ソマリア、スーダン

(2009.09.30)(2013.04.16)

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