法令 |
説明
|
省令 |
平成13年経済産業省令第249号
輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令
|
おそれ省令又は核兵器等開発等省令という |
輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)第四条第一項第三号イ及び第四号イの規定に基づき、輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合は、次に掲げるときとする。
一 |
その貨物の輸出に関する契約書若しくは輸出者が入手した文書、図画若しくは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下これらを総称して単に「文書等」という。)において、当該貨物が核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機であってペイロードを三〇〇キロメートル以上運搬することができるもの(以下本則において「核兵器等」という。)の開発、製造、使用若しくは貯蔵(以下「開発等」という。)若しくは別表に掲げる行為のために用いられることとなる旨記載され、若しくは記録されているとき、又は輸出者が、当該貨物が核兵器等の開発等若しくは別表に掲げる行為のために用いられることとなる旨輸入者若しくは需要者若しくはこれらの代理人(以下「輸入者等」という。)から連絡を受けたとき。 |
二 |
その貨物の輸出に関する契約書若しくは輸出者が入手した文書等のうち経済産業大臣が告示で定めるものにおいて、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行う旨記載され、若しくは記録されているとき、又は輸出者が、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行う旨輸入者等から連絡を受けたとき(当該貨物の用途並びに取引の条件及び態様から、当該貨物が核兵器等の開発等及び別表に掲げる行為以外のために用いられることが明らかなときを除く。)。 |
三 |
その貨物の輸出に関する契約書若しくは輸出者が入手した文書等のうち経済産業大臣が告示で定めるものにおいて、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行った旨記載され、若しくは記録されているとき、又は輸出者が、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行った旨輸入者等から連絡を受けたとき(当該貨物の用途並びに取引の条件及び態様から、当該貨物が核兵器等の開発等及び別表に掲げる行為以外のために用いられることが明らかなときを除く。)。 |
別表
一 |
原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第二号に規定する核燃料物質若しくは同条第三号に規定する核原料物質の開発等(沸騰水型軽水炉若しくは加圧水型軽水炉(以下「軽水炉」という。)の運転に専ら付帯して行われるものであることが明らかにされている場合を除く。)又は核融合に関する研究(専ら天体に関するもの又は専ら核融合炉に関するものであることが明らかにされている場合を除く。)。 |
二 |
輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令(平成三年通商産業省令第四十九号)第一条第二号に規定する原子炉(発電の用に供する軽水炉を除く。)又はその部分品若しくは附属装置の開発等 |
三 |
重水の製造 |
四 |
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「規制法」という。)第二条第七項に規定する加工 |
五 |
規制法第二条第八項に規定する再処理 |
六 |
化学物質の開発若しくは製造(経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)、微生物若しくは毒素の開発等、ロケット若しくは無人航空機(本則第一号に規定する核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置を運搬することができるものであってペイロードを三〇〇キロメートル以上運搬することができるものを除く。)の開発等又は宇宙に関する研究(経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)であって、軍若しくは国防に関する事務をつかさどる行政機関が行うもの、又はこれらの者から委託を受けて行うことが明らかにされているもの。 |
|
第四条第一項第三号イ及び第四号イ:第3号イ
イ その貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合として経済産業省令で定めるとき。
第4号イ
イ その貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合として経済産業省令で定めるとき。
文書等のうち経済産業大臣が告示で定めるもの:平成13年経済産業省告示第760号→告示を参照
明らかなとき:輸出者等が「明らかなとき」を判断するためのガイドラインによる→通達を参照
第三条第二号に規定する核燃料物質若しくは同条第三号に規定する核原料物質:
原子力基本法第三条
この法律において次に掲げる用語は、次の定義に従うものとする。
一 |
(略) |
二 |
「核燃料物質」とは、ウラン、トリウム等原子核分裂の過程において高エネルギーを放出する物質であつて、政令で定めるものをいう。 |
三 |
「核原料物質」とは、ウラン鉱、トリウム鉱その他核燃料物質の原料となる物質であつて、政令で定めるものをいう。 |
→「核燃料物質、核原料物質、原子炉及び放射線の定義に関する政令」(昭和32年政令第325号)
第一条
原子力基本法第三条第二号の核燃料物質は、次に掲げる物質とする。
一 |
ウラン二三五のウラン二三八に対する比率が天然の混合率であるウラン及びその化合物 |
二 |
ウラン二三五のウラン二三八に対する比率が天然の混合率に達しないウラン及びその化合物 |
三 |
トリウム及びその化合物 |
四 |
前三号の物質の一又は二以上を含む物質で原子炉において燃料として使用できるもの |
五 |
ウラン二三五のウラン二三八に対する比率が天然の混合率をこえるウラン及びその化合物 |
六 |
プルトニウム及びその化合物 |
七 |
ウラン二三三及びその化合物 |
八 |
前三号の物質の一又は二以上を含む物質 |
第二条
原子力基本法第三条第三号の核原料物質は、ウラン若しくはトリウム又はその化合物を含む物質で核燃料物質以外のものとする。
第一条第二号に規定する原子炉:
原子炉若しくはその部分品若しくは附属装置又は車両、船舶、航空機若しくは宇宙空間用若しくは打ち上げ用の飛しょう体の原子炉用に設計した発電若しくは推進のための装置
第二条第七項に規定する加工:
規制法第二条第七項
この法律において「加工」とは、核燃料物質を原子炉に燃料として使用できる形状又は組成とするために、これを物理的又は化学的方法により処理することをいう。
第二条第八項に規定する再処理:
規制法第二条第八項
この法律において「再処理」とは、原子炉に燃料として使用した核燃料物質その他原子核分裂をさせた核燃料物質(以下「使用済燃料」という)から核燃料物質その他の有用物質を分離するために、使用済燃料を化学的方法により処理することをいう。
経済産業大臣が告示で定めるもの:
平成13年経済産業省告示第761号→告示を参照 |
告示
|
平成13年経済産業省告示第760号
輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令第二号及び第三号の規定により経済産業大臣が告示で定める輸出者が入手した文書等 |
文書等告示という
|
輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令第二号及び第三号の規定により経済産業大臣が告示で定める輸出者が入手した文書等は次のとおりとする。
一 |
その貨物の輸出に関し、輸入者等から入手したパンフレット又は最終製品のカタログ及びその他の輸出者が入手した文書等 |
二 |
輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)第四条第一項第三号イ及び第四号イに規定する核兵器等の開発等の動向に関し、経済産業省が作成した文書等 |
三 |
前二号に掲げるもののほか、その貨物の輸出に際して、輸出者がその内容を確認した文書等 |
|
経済産業省が作成した文書等:外国ユーザーリストである。需要者が本リストに掲載されている場合需要者要件該当となる(貨物の用途並びに取引の条件及び態様から、貨物が核兵器等の開発等及び別表に掲げる行為以外のために用いられることが明らかなときを除く)
外国ユーザーリストは経済産業省安全保障貿易管理課のホームページで見ることが出来ます。
|
平成13年経済産業省告示第761号
輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令別表第六号の規定により経済産業大臣が告示で定める化学物質の開発又は製造及び宇宙に関する研究 |
|
輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令別表第六号の規定により経済産業大臣が告示で定める化学物質の開発又は製造及び宇宙に関する研究は次のとおりとする。
一 |
経済産業大臣が告示で定める化学物質の開発又は製造とは、化学物質の開発又は製造であって、次のいずれにも該当しないことが明らかなものをいう。
1 |
輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)別表第一の三の項(一)の中欄に掲げる貨物又は化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律施行令(平成七年政令第百九十二号)別表に掲げる物質の開発又は製造
|
2 |
農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造
|
|
二 |
経済産業大臣が告示で定める宇宙に関する研究とは、宇宙に関する研究であって、専ら天文学に関するものであることが明らかなものをいう。
|
|
別表に掲げる物質:
一 特定物質
(毒性物質)(一)~(二一)
(原料物質)(一)~(五)
二 第一種指定物質
(毒性物質)(一)~(三)
(原料物質)(一)~(一一)
三 第二種指定物質
(毒性物質)(一)~(四)
(原料物質)(一)~(一三)
|
通達
|
輸出者等が「明らかなとき」を判断するためのガイドライン |
輸出注意事項15第18号
|
経済産業省は、輸出者又は取引を行おうとする者(以下「輸出者等」という。)が、「輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令(平成13年経済産業省令第249号)」第二号及び第三号又は「貿易関係貿易外取引等に関する省令第9条第1項第四号イの規定により経済産業大臣が告示で定める提供しようとする技術が核兵器等の開発等のために利用されるおそれがある場合を定める件(平成13年経済産業省告示第759号)」第二号及び第三号に規定する「明らかなとき」(以下「明らかなとき」という。)を判断するためのガイドラインを下記のとおり提示します。
経済産業省は、輸出者等が本ガイドラインに基づき貨物の輸出又は技術の提供に際し厳正に審査を行うことを推奨します。
記
輸出者等は、「明らかなとき」を判断するに当たり、以下に掲げる事項(ただし、輸出する貨物等の用途並びに取引の条件及び態様からあてはまらない事項は除く。)を確認すること。
輸出者等は、通常の商慣習の範囲で取引相手等から入手した文書その他の情報によって確認を行うこととし、入手した文書その他の情報のうち自らにとって都合の悪いものに対し目隠しをしないこと。
確認の結果に疑義がある場合には商談を進める前に疑問点の解消に努めること。判断が困難な場合には、必要に応じ経済産業省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易審査課に相談すること。
|
〔貨物等の用途・仕様〕 |
1 |
輸入者、需要者又はこれらの代理人から当該貨物等の用途に関する明確な説明があること。 |
2 |
需要者の事業内容、技術レベルからみて、当該貨物等を必要とする合理的理由があること。 |
|
〔貨物等の設置場所等の態様・据付等の条件〕 |
3 |
当該貨物等の設置場所又は使用場所が明確であること。 |
4 |
当該貨物等の設置場所又は使用場所が軍事施設内若しくは軍事施設に隣接している地域又は立ち入りが制限されている等の高度の機密が要求されている地域であり、かつ、その用途に疑わしい点があるとの情報を有していないこと。 |
5 |
当該貨物等の輸送、設置等について過剰な安全装置・処置が要求されていないこと。 |
|
〔貨物等の関連設備・装置等の条件・態様〕 |
6 |
当該貨物等が使用される設備や同時に扱う原材料についての説明があること。 |
7 |
異常に大量のスペアパーツ等の要求がないこと。 |
8 |
通常必要とされる関連装置の要求があること。 |
|
〔表示、船積み、輸送ルート、梱包等における態様〕 |
9 |
輸送時における表示、船積みについての特別の要請がないこと。 |
10 |
製品及び仕向地から見て、輸送ルートにおいて異常がないこと。 |
11 |
輸送時における梱包及び梱包における表示が輸送方法や仕向地などからみて異常がないこと。 |
|
〔貨物等の支払対価等・保証等の条件〕 |
12 |
当該貨物等の支払対価・条件・方法などにおいて異常に好意的な提示がなされていないこと。 |
13 |
通常要求される程度の性能等の保証の要求があること。 |
|
〔据付等の辞退や秘密保持等の態様〕 |
14 |
据付、指導等の通常予想される専門家の派遣の要請があること。 |
15 |
最終仕向地、製品等についての過度の秘密保持の要求がないこと。 |
|
〔外国ユーザーリスト掲載企業・組織〕 |
16 |
外国ユーザーリスト(平成21・07・21貿局第3号)に掲載されている企業・組織向けの取引については、リストに記載されている当該需要者の関与が懸念されている大量破壊兵器の種別(核兵器、生物兵器、化学兵器、ミサイル)と、輸出する貨物等の懸念される用途の種別(「大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれの強い貨物例について」(平成17・03・30貿局第7号)等を参照のこと)が一致しないこと。 |
|
〔その他〕 |
17 |
その他、取引の慣行上当然明らかにすべき事項に関する質問に対して需要者からの明確な説明がないこと等、取引上の不審点がないこと。 |
|
外国ユーザーリスト:外国ユーザーリストは経済産業省安全保障貿易管理課のホームページで見ることが出来ます。
「大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれの強い貨物例について」:
|
品目 |
懸念される用途 |
1 |
リン酸トリブチル(TBP) |
核兵器
|
2 |
炭素繊維・ガラス繊維・アラミド繊維 |
核兵器、ミサイル |
3 |
チタン合金 |
核兵器、ミサイル
|
4 |
マルエージング鋼
|
核兵器、ミサイル |
5 |
口径75ミリメートル以上のアルミニウム管 |
核兵器 |
6 |
しごきスピニング加工機
|
核兵器、ミサイル
|
7 |
数値制御工作機械
|
核兵器、ミサイル
|
8 |
アイソスタチックプレス
|
核兵器、ミサイル
|
9 |
フィラメントワインディング装置 |
核兵器、ミサイル
|
10 |
周波数変換器 |
核兵器 |
11 |
質量分析計又はイオン源 |
核兵器 |
12 |
振動試験装置 |
核兵器、ミサイル
|
13 |
遠心力釣り合い試験器 |
核兵器、ミサイル
|
14 |
耐食性の圧力計・圧力センサー |
核兵器、ミサイル
|
15 |
大型の非破壊検査装置 |
核兵器、ミサイル
|
16 |
高周波用のオシロスコープ及び波形記憶装置 |
核兵器 |
17 |
電圧又は電流の変動が少ない直流の電源装置 |
核兵器 |
18 |
大型発電機 |
核兵器 |
19 |
大型の真空ポンプ |
核兵器 |
20 |
耐放射線ロボット |
核兵器 |
21 |
TIG溶接機、電子ビーム溶接機 |
核兵器、ミサイル
|
22 |
放射線測定器 |
核兵器 |
23 |
微粉末を製造できる粉砕器 |
ミサイル |
24 |
カールフィッシャー方式の水分測定装置 |
ミサイル |
25 |
プリプレグ製造装置 |
ミサイル |
26 |
人造黒鉛 |
核兵器、ミサイル
|
27 |
ジャイロスコープ |
ミサイル |
28 |
ロータリーエンコーダ |
ミサイル |
29 |
大型トラック(トラクタ、トレーラー、ダンプを含む) |
ミサイル |
30 |
クレーン車 |
ミサイル |
31 |
密閉式の発酵槽 |
生物兵器 |
32 |
遠心分離器 |
生物兵器 |
33 |
凍結乾燥機 |
生物兵器 |
34 |
耐食性の反応器 |
化学兵器 |
35 |
耐食性のかくはん機 |
化学兵器 |
36 |
耐食性の熱交換器又は凝縮器 |
化学兵器 |
37 |
耐食性の蒸留塔又は吸収塔 |
化学兵器 |
38 |
耐食性の充てん用の機械 |
化学兵器 |
39 |
噴霧器を搭載するよう設計された無人航空機(UAV)(娯楽若しくはスポーツの用に供する模型航空機を除く) |
ミサイル、生物・化学兵器 |
40 |
UAVに搭載するよう設計された噴霧器 |
ミサイル、生物・化学兵器 |
|
お知らせ
|
大量破壊兵器等の不拡散のための補完的輸出規制に係る輸出手続き等について(お知らせ)
|
平成8年4月9日 貿易局安全保障貿易管理課
おそれ省令における主な用語の解釈が示されている。
|
1.許可申請の対象(略)
2.申請手続き(略)
3.告示又は省令における用語の解釈
|
告示又は省令における主な用語の解釈は、原則として次のとおりとします。 |
|
[ 省令(本文関係)] |
(1) |
「その貨物の輸出」
その貨物の輸出とは、輸出令別表第1の16の項の中欄に掲げる貨物に該当する貨物に関して、個々の契約毎の輸出をいう。したがって、一度許可をした同一貨物の同一需要者に向けた「再度の輸出」であっても、契約が異なれば新たな許可申請要否判断の対象となる。 |
(2) |
「輸出者が入手した文書等」
輸出者がその貨物を輸出するにあたっての、個々の契約に限定されず、当該輸出者が輸出の前に入手した全ての文書等(文書、図画若しくは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。))をいう。ただし、これは輸出者に対して特定の文書等の入手を義務づけるというものではなく、通常の商慣習の範囲内で入手した文書等との趣旨である。 なお、省令第二号及び第三号については、「輸出者が入手した文書等のうち経済産業大臣が告示で定めるもの」となっており、具体的には「輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令第二号及び第三号の規定により経済産業大臣が告示で定める輸出者が入手した文書等」(平成
13年経済産業省告示第760号。以下「文書等告示」という。)を参照されたい。
文書等告示第一号は、輸出者が当該輸出の適切な実施に資するものとして入手した文書等(通常の商慣習の範囲内で入手した文書等)に関する規定である。なお、その貨物の輸出に際して輸出者が入手した各種海外情報等の調査結果は文書等告示第一号の「その他の輸出者が入手した文書等」に含まれる。
文書等告示第二号は、「核兵器等の開発等の動向に関し、経済産業省が作成した文書等」に関する規定である。当該文書等を入手した場合には、輸出時に当該文書等を確認したか否かを問わず、当該文書等は「輸出者が入手した文書等」に該当することとなる。
文書等告示第三号は、第一号及び第二号に掲げるもののほか、「その貨物の輸出に際して、輸出者がその内容を確認した文書等」に関する規定である。例えば、過去の取引において入手し、倉庫等に保管されていた文書等で、その貨物の輸出に際して内容確認を行った文書等はここでいう「輸出者が入手した文書等」に該当することとなる。なお、およそ当該輸出者の取引実態から考えて、当該輸出者が確認すると考えられないもの、例えば、当該輸出者にとって特異な言語で書かれた文書や極めて大部な文書は、ここでいう「輸出者が入手した文書等」には該当しない。(ただし、その内容を確認した場合にはこの限りでない。)
|
(3) |
「電磁的記録」
電磁的記録とはフラッシュメモリー等の電子的記録媒体、ビデオテープ、カセットテープ、フロッピーディスク、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD、マイクロフィルム等の光学的記録媒体その他の記録媒体において人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。 |
(4) |
「需要者」
「需要者」は「当該貨物を費消し、又は加工する者」をいう。
その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、輸出段階で需要者が不明の場合は、省令第二号及び第三号に該当しない。
また、輸出時点から全く形状、性質が変更された物を費消し、又は加工する者は、ここでいう需要者には該当しない。
需要者は法人単位で考慮することを原則とし、例えば、核兵器等の開発等を行う等の情報がもたらされている法人が当該輸出貨物の需要者の株式を保有している、又は、核兵器等の開発等を行う旨の情報がもたらされている親会社たる法人が当該輸出貨物の需要者に役員を派遣している等、輸出貨物の需要者が核兵器等の開発等を行う者との資本的・人的関係を有している場合であっても、それらが別法人であれば、省令第二号及び第三号には該当しない。
なお、需要者が行政機関である場合には、原則として行政機関単位で判断する。
|
(5) |
「これらの代理人」
「これらの代理人」は「輸入者又は需要者に代わって意思表示をなし、又は意思表示を受領し、その法律効果が直接輸入者又は需要者に帰属する関係にある者」を意味する。 |
(6) |
「連絡を受けた」
連絡手段は問わない。
なお、いわゆるライバル企業等の第三者から連絡を受けた場合については、当該者が輸入者若しくは需要者又はこれらの代理人に該当しない場合は、ここでいう「連絡を受けた」場合に該当しない。
|
(7) |
「需要者が行う(行った)」
「行う」は現在及び将来の事象に係る規定、「行った」は過去の事象に係る規定。
その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を「行う」又は「行った」旨示されている場合に需要者要件に該当することとなり、輸出者が単にその旨を知っているだけでは需要者要件に該当しない。
また、「需要者自身」が行うことが必要であり、例えば、需要者自身が核兵器等の開発等を行うことが、契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において示されていない場合や、需要者が核兵器等の開発等を行う者との取引実績があることが示されているだけでは需要者要件に該当しない。
|
|
|
[ 省令(別表関係)] |
(8) |
「原子力基本法第3条第二号に規定する核燃料物質」
原子力基本法(昭和30年法律第186号)第3条第二号に規定する「核燃料物質」とは、ウラン、トリウム等原子核分裂の過程において高エネルギーを放出する物質であって、「核燃料物質、核原料物質、原子炉及び放射線の定義に関する政令」
(昭和32年政令第325号。以下単に「政令」という。)第1条で定めるものをいう。
政令 第1条
原子力基本法第3条第二号の核燃料物質は、次に掲げる物質とする。
一 |
ウラン235のウラン238に対する比率が天然の混合率であるウラン及びその化合物 |
二 |
ウラン235のウラン238に対する比率が天然の混合率に達しないウラン及びその化合物 |
三 |
トリウム及びその化合物 |
四 |
前三号の物質の一又は二以上を含む物質で原子炉において燃料として使用できるもの |
五 |
ウラン235のウラン238に対する比率が天然の混合率をこえるウラン及びその化合物 |
六 |
プルトニウム及びその化合物 |
七 |
ウラン233及びその化合物 |
八 |
前三号の物質の一又は二以上を含む物質 |
|
(9) |
「原子力基本法第3条第三号に規定する核原料物質」
原子力基本法第3条第三号に規定する「核原料物質」とは、ウラン鉱、トリウム鉱その他核燃料物質の原料となる物質であって、政令第2条で定めるものをいう。
政令 第2条
原子力基本法第3条第三号の核原料物質は、ウラン若しくはトリウム又はその化合物を含む物質で核燃料物質以外のものとする。
|
(10) |
「原子力基本法第3条第二号に規定する核燃料物質若しくは同条第三号に規定する核原料物質の開発等」核燃料物質、核原料物質の開発等をいう。 |
(11) |
「(沸騰水型軽水炉若しくは加圧水型軽水炉(以下「軽水炉」という。)の運転に専ら付帯して行われるものであることが明らかにされている場合を除く。)」
「核原料物質又は核燃料物質の開発等」であっても、契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、当該開発等が軽水炉の運転に専ら付帯して行われるものであることが示されている場合には、ここでいう「核原料物質又は核燃料物質の開発等」から除かれる。
したがって、「核原料物質又は核燃料物質の開発等」であっても、例えば、通常の電力会社が発電の用に供する軽水炉の運転に専ら付帯して、行うものであることが、契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において示されていれば、ここでいう「核原料物質又は核燃料物質の開発等」から除かれる。
単に、「核原料物質又は核燃料物質の開発等」と示され、軽水炉の運転に専ら付帯して行われるものであるか否かが不明である場合は、別表第一号に該当することとなる。
|
(12) |
「(発電の用に供する軽水炉を除く。)」
その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、「発電の用に供する軽水炉」と示されている場合は、別表第二号に規定する「原子炉」から除かれる。
単に「原子炉」と示され、当該原子炉が発電の用に供する軽水炉であるか否かが不明の場合は、別表第二号に該当することとなる。
|
(13) |
「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号) 第2条第7項に規定する加工」
核燃料物質を原子炉に燃料として使用できる形状又は組成とするために、これを物理的又は化学的方法により処理することをいい、例えばウランの濃縮等が含まれる。 |
(14) |
「規制法第2条第8項に規定する再処理」
原子炉に燃料として使用した核燃料物質その他原子核分裂をさせた核燃料物質(以下「使用済燃料」という。)から核燃料物質その他の有用物質を分離するために、使用済燃料を化学的方法により処理することをいい、例えばプルトニウムの抽出等が含まれる。 |
(15) |
「化学物質の開発若しくは製造(経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)」
その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、「経済産業大臣が告示で定めるもの」(輸出令別表第1の3の項の(1)に掲げる貨物の開発若しくは製造、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律施行令(平成7年政令第192号)別表(別紙参照)に掲げる物質の開発若しくは製造又は農薬(殺菌剤を含む)、肥料若しくは殺虫剤の開発若しくは製造)のいずれにも該当しないことが明らかなものについては、ここでいう「化学物質の開発若しくは製造」から除かれる。
単に「化学物質の開発若しくは製造」と示され、「経済産業大臣が告示で定めるもの」に該当するか否かが不明の場合は、ここでいう化学物質の開発若しくは製造に該当することとなる。
|
(16) |
「宇宙に関する研究(経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)」
その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、専ら天文学に関する研究であることが示されているものについては、ここでいう「宇宙に関する研究」から除かれる。
単に「宇宙の研究」と示され、専ら天文学に関する研究であるか否かが不明な場合は、ここでいう「宇宙に関する研究」に該当することとなる。
|
(17) |
「軍若しくは国防に関する事務をつかさどる行政機関」
別表第六号に規定する行為については、その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、軍又は国防に関する事務をつかさどる行政機関が行うことが示されている場合に、別表第六号に該当することになる。 |
(18) |
「委託を受けて行われることが明らかにされているもの」
別表第六号に規定する行為については、前記(17)に加え、その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、軍又は国防に関する事務をつかさどる行政機関から委託を受けて行うことが示されている場合に、別表第六号に該当することになる。
その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、当該行政機関から委託を受けたものか否かが不明である場合には、別表第六号には該当しない。
|
|
|
4.事前相談(略) |