田中行政書士事務所

該非判定のやり方

該非判定とは輸出しようとする貨物又は提供しようとする技術が輸出貿易管理令(以下輸出令)別表第1又は外国為替令(以下外為令)別表に掲げる貨物又は技術に該当するか否かを判定することである。

該非判定は、「技術内容を理解している者が判定、規制内容を理解している者が確認」が基本です。

経済産業省の安全保障輸出管理ガイダンスでは営業担当者が判定を行うことを否定してはいませんが、
①営業担当者は、引合いのあった輸出する貨物又は技術(以下「貨物等」という)について、最新の外為法等に基づいて規制貨物等に該当するか否かを判定(該非判定)する。判定を行うには引合いのあった貨物等に関する技術資料等を整備し、技術担当者の協力を得て判定を行う。
②管理責任者は、営業担当者が行った判定及び技術資料等を基に社としての最終判断をする。
としています。

製造者にあっては、技術部門の責任者が判定、管理部門の責任者が確認を行うのが適切でしょう。


以下貨物の該非判定のやり方について説明します。
(具体的な手順と注意事項はこちら)
(1) 輸出令別表第1、貨物等省令(注)と照し合せる
  • 原則どおりの方法であるが「貨物等省令」が大部であるため実際には大変な作業となる。
  • 複数の項番で規制されている場合がある。従って規制項番を一つ見つけてもそれで終りにするのではなく輸出令別表第1、貨物等省令全部に目を通す必要がある。
  • 運用通達(輸出注意事項62第11号)中の「輸出令別表第1の解釈」も参照すること。この目的のためには日本機械輸出組合の「安全保障貿易管理関連貨物・技術リスト及び関係法令集」が便利である。
(2) 輸出貿易管理令別表第1項目別対比表を使う
  • CISTEC(財団法人安全保障貿易情報センター)が作成販売している該非判定用の書式である。
  • 概ね輸出令別表第1の各項のカッコ(例えば7項(4)、10項(7の2)等)毎に貨物等省令と貨物の仕様を対比させることにより該当非該当を判定出来るようにしたもの。
  • 運用通達中の輸出令別表第1の解釈に解釈がある語句に関しては、見落としがないよう語句の下に下線が付されています。
  • 問題は(1)と同じ。どの項目別対比表を使うべきかの選択が難しい。
  • 輸出令別表第1の1の項から15の項までを網羅している。
  • 税関申告時には(3)のパラメータシートとともに一般的に利用されている。
(3) 輸出管理品目別パラメータシートを使う
  • (2)と同様にCISTEC(財団法人安全保障貿易情報センター)が作成販売している該非判定用の書式である。
  • 質問に答えていくことにより該当非該当が判定出来るように工夫されている。
  • 運用通達中の輸出令別表第1の解釈も記載されている。
  • 問題は(1)(2)と同じ。どのパラメータシートを使うべきかの選択が難しい。
  • 化学製剤原料関連、先端材料関連、エレクトロニクス、コンピュータ、通信・情報セキュリティ、音響センサー・レーダーの項番に限られています。
  • 税関申告時には(2)の項目別対比表とともに一般的に利用されている。
(4) 羅針盤を使う
  • 羅針盤とは経済産業省安全保障貿易管理課のホームページにある「貨物の該非を判断するための参考分類」です。
  • 質問に答えていくことによって、該当非該当を確認すべき項番にたどり着くことができ、(1)(2)(3)の問題に対する手助けになります。(羅針盤は現在はなくなっています)
(5) 製造者に問合せる
  • 社外から調達する貨物等であって、社内で該非判定ができない場合は、調達先に判定を依頼する。
  • 口頭ではなく、製造者の判定責任者等が発行する判定書を入手する。
  • 外為法の責任は、輸出者が負うことになるので、入手した判定書を鵜呑みにしないで、最新の法令に基づいているか否かを始めとして自社で再確認する。
  • 判定に疑義がある場合は、製造者に再確認し、十分協議する。
  • 細かい点だが装置に内蔵されているプログラムがあるときはプログラムの判定がされているかを確認する。
(6) 専門家に依頼する 中国経済産業局のホームページに以下のQ&Aがあります。
Q4: 工作機械を輸出することになったので該非判定が必要なのですが、メーカーが倒産している場合はどのようにすればよいですか。
A4: 同業他社、民間の技術コンサルティング会社、技術士等に該非判定を依頼する等により、輸出貿易管理令に該当するかどうかを判定してください。
中国経済産業局のホームページからの抜粋(2009年9月26日)
(7) CISTECに相談する CISTECに相談できます。
(賛助会員は無料、その他一般の場合は有料)
(8) 経済産業省に相談する 以下の場合に経済産業省に相談することが出来ます。
条文の規定のみでは貨物の該当非該当の判断が困難な場合に限ると釘をさされている。
特定貨物の輸出・役務取引・特定記録媒体等輸出等の許可申請に係る事前相談及び一般相談について(お知らせ)からの抜粋
1-1 特定貨物(輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号。以下「輸出令」という。)別表第1の1の項の中欄に掲げる貨物をいう。以下同じ。)に該当するおそれのある貨物の輸出若しくは特定技術(外国為替令(昭和55年政令第260号。以下「外為令」という。)別表の1の項の中欄に掲げる技術をいう。以下同じ。)に該当するおそれのある技術の提供を目的とする取引若しくは当該取引に関する行為又は軍用細菌製剤原料(輸出令別表第1の3の2の項(1)に掲げる貨物をいう。以下同じ。)に該当するおそれのある貨物の輸出若しくは軍用細菌製剤原料に関する技術(外為令別表の3の2の項(1)に掲げる技術をいう。以下同じ。)に該当するおそれのある技術の提供を目的とする取引若しくは当該取引に関する行為に先立ち、該当非該当の疑義が生じた場合
1-2 1-1に該当しない輸出又は取引若しくは当該取引に関する行為に先立ち、輸出令別表第1の中欄に掲げる貨物に係る該当非該当の疑義が生じた場合(条文の規定のみでは貨物の該当非該当の判断が困難な場合に限る。)
(注)貨物等省令:輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令(平成三年通商産業省令第四十九号)


該非判定の手順と注意事項


該非判定の手順>

1. 該非判定対象貨物の抽出 (該非判定の対象となる貨物か)

2. 輸出貿易管理令別表第1の規制項番選定 (どの項番で規制されるか)

3. 輸出貿易管理令別表第1による該非判定 (規制項番の規定に該当するか)



1. 該非判定対象貨物の抽出

該非判定の対象となる貨物は下記の(1)(2)である。 (1)の当該貨物には附属品等を含みます。


(1)当該貨物

(2)当該貨物の部分をなしている貨物


<該非判定不要の貨物>

ただし、輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物であっても、他の貨物の部分をなしているものであって、当該他の貨物の主要な要素となっていない又は当該他の貨物と分離しがたいと判断されるものは、運用通達中の輸出令別表第1の解釈ただし書きにより、輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物のいずれにも該当しないものとして扱うことの出来る場合があり結果として該非判定不要となることがあります。

輸出令別表第1の解釈ただし書きは「部分品に係る規定」と呼ばれることがあります。該非判定の実務においては重要な規定です。

<運用通達中の輸出令別表第1の解釈ただし書き>
輸出貿易管理令の運用について(運用通達) 輸出注意事項62第11号
1-1(7)(イ)輸出令別表第1の解釈
輸出令別表第1の解釈は、次の表に掲げるところにより行う。なお、輸出令別表第1中、次の表の「輸出令別表第1の項」の欄に掲げる事項について、それぞれ「輸出令別表第1(これに基づく貨物等省令を含む)中解釈を要する語」の欄に掲げる語は、「解釈」の欄に掲げるところにしたがって解釈するものとし、「解釈」の欄が左右の二欄にわかれているときは、当該「輸出令別表第1中解釈を要する語」欄に掲げる語は、それぞれ左欄に掲げるものを含み、右欄に掲げるものを除くものとして解釈するものとする。

ただし、輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物であっても、他の貨物の部分をなしているもの(ただし、輸出令別表第1の8の項に掲げる貨物であって、貨物等省令第7条において「他の装置に内蔵されたもの」とされている場合を除く。)であって、当該他の貨物の主要な要素となっていない又は当該他の貨物と分離しがたいと判断されるものは、以下の場合を除き、輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物のいずれにも該当しないものとして扱う。
輸出令別表第1の1の項(3)若しくは(13)に掲げる貨物、又は、2の項(3)に掲げる貨物であって貨物等省令第1条第三号に該当するもの若しくは4の項(6)に掲げる貨物であって貨物等省令第3条第七号に該当するものが、当該他の貨物に混合されている場合

1の項(3)に掲げる貨物:火薬類(爆発物を除く。)又は軍用燃料

1の項(13)に掲げる貨物:軍用の細菌製剤、化学製剤若しくは放射性製剤又はこれらの散布、防護、浄化、探知若しくは識別のための装置若しくはその部分品

2の項(3)に掲げる貨物:重水素又は重水素化合物

4の項(6)に掲げる貨物:推進薬又はその原料となる物質
①以外の貨物であって、当該貨物が当該他の貨物に混合されていてその主要な要素となっており、当該他の貨物がその状態で当該貨物の用途に用いることができる場合

②の趣旨は、当該化学物質が混合された状態のものであっても、輸出令別1に掲げる貨物と同等の機能・性質を発揮する場合には、規制対象貨物として使用することが可能と考えられるため、部分品規定の適用を不可とするものです。
  (注1) 他の貨物の部分をなしているとは、ある特定の他の貨物の機能の一部を担っており、かつ、当該他の貨物に正当に組み込まれ又は混合された状態をいう。この場合であって、出荷に際し、輸送上の理由等により暫時分離するものについては、他の貨物の部分をなしているものと判断される。また、他の貨物が機能するために全く必要のないものや、通常の出荷時とは異なる過剰なスペックのものを取り付ける等、正当に組み込まれ又は混合されたものでない場合においては、他の貨物の部分をなしているものと判断されない。
  (注2) 他の貨物の主要な要素となっているか否かについては、量、価額などを考慮して判断するものとする。組み込まれ又は混合されている貨物の価額(輸出令別表第1における項の番号の下の括弧レベル毎に貨物を分類し、組込先又は混合先の他の貨物の中に同一の分類となる複数の貨物が含まれる場合には、それらを合計する)が組込先又は混合先の他の貨物の価額の10%を超えない場合、組み込まれ又は混合されている貨物は組込先又は混合先の他の貨物の主要な要素となっていないと判断される。価額は、初期製造時の市場価格を元に判断することを基本とする。
  (注3) 電子部品にあっては、半田付けの状態にある場合には、他の貨物と分離しがたいと判断される。
輸出令別表第1の項 輸出令別表第一中解釈を要する語 解釈
(略) (略) (略) (略)
この表は経済産業省安全保障貿易管理課のホームページで見ることができます。


2. 輸出令別表第1の規制項番選定

該非判定の対象となる貨物が輸出令別表第1のどの項番に記述されているかを調べます。

この目的の為には

(1)安全保障貿易管理関連貨物・技術リスト及び関係法令集(日本機械輸出組合)
又は
(2)経済産業省安全保障貿易管理課のWebSiteにある「輸出令及び貨物等省令のマトリクス」を利用するのが便利です。

http://www.meti.go.jp/policy/anpo/matrix_intro.html

(URLは変ることがあります)


<注意事項>

一つの貨物が複数の機能を有する場合は機能ごとに項番を選定する。
(例1)モデム
①伝送通信装置 ②暗号装置
(例2)工作機械
①工作機械 ②測定装置

複数の項番で規制されている場合がある。従って規制項番を一つ見つけてもそれで終りにするのではなく輸出令別表第1、貨物等省令全部に目を通す必要があります。
(例)ロボットの規制項番
2項(15)、6項(7)、12項(5)、14項(7)

それ自体が規制される機能を有していなくても部分品として規制されることがある。(以下の②の場合)

<部分品の規制の代表的な二つの類型>
①部分品それ自体が輸出令別表第1で規制される場合
(例1)ポンプ 2項(10)、2項(35)、3項(2)、4項(5)、13項(3)
(例2)弁 2項(33)、3項(2)、4項(5)、4項(17)
(例3)軸受 4項(5)、6項(1)、15項(9)
②本体が輸出令別表第1で規制されており、かつ部分品を規制するとしている場合
(例)1項(1)「銃砲若しくはこれに用いる銃砲弾(発光又は発煙のために用いるものを含む。)若しくはこれらの附属品又はこれらの部分品」他多数


規制項番選定に際し参考となるもの
輸出令別表第1・外為令別表用語索引集(日本機械輸出組合)
貨物の該非を判断するための参考分類(羅針盤)

(羅針盤は現在はなくなっています)

3. 輸出令別表第1による該非判定

規制項番の規定に該当するか下記の(イ)(ロ)(ハ)すべてを参照して判定する。


(イ)
輸出貿易管理令別表第1(輸出令別表第1)
(ロ)
輸出貿易管理令別表第1及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令(貨物等省令)
(ハ)
輸出貿易管理令の運用について(運用通達)「輸出令別表第1中解釈を要する語」


規制項番選定と同様に、この目的の為には
(1)安全保障貿易管理関連貨物・技術リスト及び関係法令集(日本機械輸出組合)
又は
(2)経済産業省安全保障貿易管理課のWeb Siteにある「輸出令及び貨物等省令のマトリクス」を利用するのが便利です。

http://www.meti.go.jp/policy/anpo/matrix_intro.html

(URLは変ることがあります)


該非判定に際して参考となるもの
項目別対比表(CISTEC)
パラメータシート(CISTEC)

輸出管理品目ガイダンス(CISTEC)


(上記情報は2014年12月20日現在のものです)

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